シンガポールのローカル企業で働き始めて1年が経ちました

振り返ってみれば、怒涛のごとく過ぎ去った1年でした。

シンガポールの日系企業に勤めていたら決して経験できないこと、ましてや、日本で働いていた時にも経験したことのない、貴重な体験を日々させてもらっています。

子供は学校で、親は社会で、それぞれ新たなチャレンジをする。シンガポールはそれが可能な国であると実感しています。

ローカル企業のカルチャー

私は現在、福建人の特徴そのままの、強いリーダーシップを持つ中華系シンガポーリアンの社長のもと、

社員は家族の一員という考えのローカル企業で働いています。

業種としては、建設業のくくりで、特に電気工学系を強みとした設備工事会社です。

いろいろな国から来た社員で構成されていますが、その大半を占めるのは、タミル語を話す南インド出身のワーカーさん達です。

ワーカーさん達がしっかり働いてくれるからこそ会社が成り立っているわけで、

どんな状況でもいつも明るいワーカーさん達をとても尊敬しています。

また、ミャンマー人も少なからずいて、彼らの粛々と働く勤勉さにいつも感心しています。

カルチャーとしては、社長が中華系なので、中華系の行事は特に力が入っていて、

7 month hungry ghost festival (ハングリー・ゴースト・フェスティバル:こちらのお盆のような行事)では、

安全を祈願してたくさんのお供え物をし、ゴーストを鎮めるために、大量の紙のお金を燃やします。

旧正月のカンパニーディナーは、取引先などを招いて300人規模で盛大に開催されますし、

ライオンダンスやドラゴンダンスが社内を練り歩き、商売繁盛を祈念します。

また、ワーカーさん達の嗜好に合うよう、インド系の行事も大切にされます。

インドの祝日の前には、インド料理のビュッフェが振舞われます。

ここでは、中華系とインド系の両カルチャーを体験することができます。

そして、紅包(アンパオ)と呼ばれるお年玉は、なんと年に3回!

普通、アンパオは旧正月に配られますが、それに加えて、ワーカーさん達を労う5月1日のレイバーデイと、インドの祝日ディパバリ前の計3回、お年玉がもらえます。

移民国家の現状を垣間見る

シンガポールは建国から50数年で急速に発展した都市国家です。労働力は海外からの移民に支えられています。

特に私の勤めている会社のような建設業界では、外国からの労働力が不可欠です。

彼らは家族帯同を許されず、郊外の宿舎に寝泊まりして、現場と宿舎とを往復する毎日です。

中心部ではあまり見かけないかもしれませんが、高速道路を走るトラックの荷台で運ばれるワーカーさん達を見たことがあるかもしれません。

前回家族に会うために帰国したのは3年前という人もいました。いや、もっと長い間故郷に帰っていない人もいます。

彼らの1日の賃金はいったいいくらだと思いますか?

詳しくは書けませんが、おそらくその低さにびっくりすると思います。

ホテルでのランチ代1回分にも満たないでしょう。

建設業界だけでなく、グリーンシティともいわれるシンガポールの街路樹の剪定や、

害虫駆除のための農薬散布などもワーカーさん達に委ねられています。

シンガポールのインフラを支えるワーカーさん達の現状を、少しですが知ることが出来たのも、

ローカル企業での就労で得た貴重な体験の一つであります。