シンガポールミュージアム日本語ガイド

先日、シンガポールのミュージアム日本語ガイドをしている友人が、アジア文明博物館でガイドデビューをするということで行ってきました。

日本語ガイドは、2017年に創立35周年を迎えた、歴史あるボランティア団体です。 シンガポールミュージアム日本語ガイド

シンガポールにある様々な美術館や博物館で、無料で日本語でのガイドを提供しています。

ガイドの方々は、研修や勉強会を重ね、膨大な資料を読みこなし、暗記し、

さらに、自分でメインのテーマを決めて、シナリオをオリジナルで作っていきます。

一つの論文のような完成度です。そのため、誰一人として同じガイドはないのです。

ガイドの方の興味や関心によって内容が少しずつ異なりますから、

なんど聞いても新しい視点からの説明を聞くことができます。

友人は昨年すでにシンガポール国立博物館でのガイドデビューを果たしており、今回は2館目になります。

デビューまでの大変さを、断片的ではありますが聞いていましたので、その意志の強さに感服するとともに、

練習台としてなんどもその内容を聞いた、彼女のお子さんたちを羨ましく思うほどの素晴らしいガイドでした。

アジア文明博物館でつながったIB教育の意図

アジア文明博物館で、最初に目に飛び込んできた「唐時代の沈没船」の展示。

1998年にシンガポール沖で発見されるまで、約1,200年もの間海底に沈んでいた沈没船の積荷から当時の交易の様子がよくわかります。

中国、シンガポール、インド、中東、をつなぐ、海のルートと陸のルートを確認し、

その時の流行りの柄や色、形など、彼女の丁寧な説明でより理解が深まります。

沈没船の主な積荷であった陶磁器から、世界がどんどんつながり、中国情勢が混乱していた時にその役割を担った

ベトナムや、そして、日本の状況など、私たちが習った日本史につながるところがなんともワクワクで、

より知識が身近なものとなって頭に入ってきます。

テーマは陶磁器の歴史のようで、実は、世界史、日本史、地理、政治経済、サイエンス、など

全てが関係している、壮大なストーリーが展開されていきます。

今娘がシンガポールのインターナショナルスクールで学んでいる、IB教育がまさにこれで、

例えばサイエンスの授業で、陶磁器の釉薬の化学変化による色の違いから、陶磁器の歴史や、

窯のある場所を調べる地理的な要素、それらを中東やヨーロッパまで運ぶ交易における各国の背景、などなど

一つのテーマが、たくさんの教科にまたがり、関係しあいながら授業が進められていきます。

物事は独立してただ知識としてそこにあるのではなく、

様々な要因が絡み合いながら作り上げられているものであるという根本的なことを、

友人のガイドを聞いて、気づけた日でした。

シンガポール親子留学で得られるものは、語学だけではないとつくづく思います。